メタボと糖尿病・動脈硬化
アディポネクチンの役割を発見
「メタボ」ことメタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積によって複数の生活習慣病が引き起こされる状態です。国内で2000万人の患者さんがいるといわれる糖尿病・耐糖能異常の発生にも、この内臓脂肪の蓄積が大きく関わっています。下村伊一郎教授らの研究室(内分泌・代謝内科学)は、脂肪細胞からアディポネクチンというホルモンが分泌されることを発見したほか、これらがT-カドヘリンという細胞膜タンパク質にバンドエイドのように張り付くことで、動脈などでの傷害部の悪化を防ぎ、臓器を守る役割を果たしていることを明らかにしました。内臓脂肪が増加すると、アディポネクチンの分泌は減少します。これがメタボ状態で動脈硬化のリスクが上がる一因です。下村教授らによるこれらの発見により、メタボの研究は飛躍的に発展しました。
