研究の地平

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血液

人工血液も、もはや夢じゃない!?

私たちの体を流れる血液は、骨の中心にある空洞「骨髄腔」で作られていることをご存知ですか。骨芽細胞長澤丘司教授(幹細胞生物学)らは、血液を作り出す細胞とその環境(ニッチ)についての研究を進めてきました。近年は、骨の中に空洞を保つのに必要なタンパク質EBF3を発見。「血液が作られる仕組みの解明」へと一歩近づきました。ここでの成果は、試験管内で人工骨髄を用いて血液を作りだす再生医療へと応用されることが期待されます。

骨髄特有の細胞「CAR」細胞の分泌するタンパク質「EBF1」「EBF3」が骨髄腔を維持し、血液を作る細胞「造血幹細胞」が働く環境を整えている。