研究の地平

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ノドのがん

生活の質をキープして治療する時代に

ノドにできる中咽頭がんの原因として明らかになっているのは「酒・たばこ、ヒトパピローマウイルス(HPV)」。これまで中咽頭がんは、原因に関わらず手術、抗がん剤治療、放射線治療を組み合わせて治療を行ってきましたが、副作用による患者さんのクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の低下が問題視されてきました。そこで、猪原秀典教授(耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)らは、HPVによる中咽頭がんを、放射線のみで治療する方法を開発。臨床試験の結果、治療効果は変わらないままで、QOLが向上することがわかっています。

ヒトパピローマウイルス(HPV)を原因とする中咽頭がんには、放射線治療のみを使用。手術、抗がん剤治療を行わないため、患者さんの身体への負担が抑えられます。