予後が良い鎮静剤
免疫機能を下げない。それが未来の麻酔
敗血症は細菌感染によって起こる病気で、予後が悪く、死亡率は4~6割にも上ります。予後を悪化させる原因のひとつであると疑われてきたのが鎮静剤です。藤野裕士教授(麻酔・集中治療医学)らの研究グループは、手術後に投与される鎮静剤は、痛みを抑える一方で、免疫機能を低下させる可能性に着目。実際、マウスを用いた実験で、鎮静剤の種類によって免疫の反応が変わることを示しました。今後は、ヒト敗血症の患者さんを対象に研究を進め、免疫機能を低下させず、予後を悪化させない鎮静剤を特定することが期待されています。
