研究の地平

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腸内細菌と免疫

風邪をひかないのも乳酸菌のおかげ?

竹田潔教授(免疫制御学)らは、乳酸菌をはじめとした腸内細菌がつくる乳酸・ピルビン酸が、小腸の免疫細胞「マクロファージ」を活性化する仕組みを解明しました。乳酸・ピルビン酸をマウスに投与する実験では、活性化したマクロファージが樹状突起を伸ばし、病原性細菌であるサルモネラ菌を捕獲。未投与のマウスと比べて、サルモネラ菌への抵抗性が高まっていることもわかりました。これらの成果は、腸内細菌のバランスが免疫機能とどのように関係しているのかを解き明かす、重要な手がかりとなります。

乳酸・ピルビン酸は、マクロファージの細胞表面に発現する受容体「GPR31」に結合し、樹状突起の伸長を促します。