研究の地平

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)

血液1滴にひそむ肺のSOS。

木庭太郎医師、武田吉人准教授(呼吸器・免疫内科学)らの研究グループは、血中を流れるエクソソーム(細胞から放出される微粒子)に着目。慢性閉塞性肺疾患(COPD)における進行度などの指標となる「ファイブリン-3」を新たに発見しました。COPDは、喫煙や大気汚染が原因となり発症する肺の生活習慣病です。呼吸機能の検査によって診断されるものですが、初期は無症状でゆっくりと進行するため、未受診・未診断のまま放置されてしまうケースが多くあります。しかしながら、一旦進行してしまうと元通りには治らないため、早期での発見が重要です。この研究結果により、血液1滴でCOPDを簡便に診断し、治療へとつなげていくことが期待されます。

病気の有無や進行状態などの指標となる体内の物質を、バイオマーカーと呼びます。「ファイブリン-3」もそのひとつです。