中性脂肪
心臓の難病も、カプセル剤で治せる。
2008年、平野賢一特任教授(中性脂肪学)らの研究グループにより発見された「中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)」。中性脂肪を心臓のエネルギー源として使えなくなる難病で、心臓の筋肉や血管に中性脂肪が蓄積することにより、重症の心不全や動脈硬化を引き起こします。同グループはさらに研究を進め、治療の糸口も見出しました。脂肪酸の一種「カプリン酸」がTGCVで蓄積した中性脂肪を分解し、さらに「カプリン酸」そのものがTGCVの心臓でエネルギー源となって症状を改善し得ることを突き止めたのです。これを受けて開発したカプリン酸のカプセル剤は、厚生労働省から「希少疾病用医薬品」に指定され、製薬会社が実用化に向けた臨床研究を実施中。この難病が克服される日もそう遠くないはずです。
