研究の地平

医療のフロントラインを語るキーワード

フェムテック

女性の活躍を支えるテクノロジーの力。

更年期の女性がさまざまな症状を訴える「更年期障害」には、女性ホルモン欠落症状やうつ病が隠れていることがあり、その診断は現状の問診票だけでは難しいとされます。澤田健二郎准教授(産科学・婦人科学)らの研究グループが模索しているのは、客観的な指標に基づく新たな診断装置によって、女性ホルモンの欠落症状と精神症状を簡便に鑑別する方法です。自律神経の乱れに着目し、閉経後の女性において、パッチ式脳波計を用いて睡眠時脳波を測定し、問診表と併せて解析することで、90%以上の精度で判定することに成功しました。自宅でも使える診断ツールとして実用化が期待されます。この研究成果は、女性の健康の課題をテクノロジーで解決する製品・サービス「フェムテック」の可能性を広げるはずです。

フェムテックとは、“female technology”を略した造語。女性の活躍推進が求められる時代の流れの中で注目されるようになりました。