ポリープ
腸内環境を改善してがん予防。
大腸のポリープががんになるには、約10~20年を要することが知られており、がん化を促す要因を調べるのにも長い年月が必要です。家族性大腸腺腫症(FAP)は大腸にポリープが100個以上できる遺伝性の希少疾患ですが、短期間でがん化することが多いため、腸内環境の観察に適しています。谷内田真一教授(がんゲノム情報学)らの研究グループは、FAP患者の腸内環境を経時的に観察し、腸内細菌の種類に大きな変動がある際にがんが引き起こされることを発見しました。この事実は、FAP患者に限らず広く一般の人にも当てはまると考えられます。大腸がんの原因となる細菌を特定し、腸内環境を改善させることは、予防への大切な一歩となるはずです。
