研究の地平

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オートファジー

細胞は自分を食べる?

ギリシャ語で「自分を食べる」という意味を持つ「オートファジー」は、細胞内で不要になったものを膜に包んで分解する仕組みです。分解された成分は、細胞の栄養源として再利用されます。生物の身体を構成する細胞は、まるで部品を交換するように常に分解と合成を繰り返しますが、遺伝学の吉森保教授らは、オートファジーは栄養のリサイクルだけではなく、病原性細菌のように害のあるものを除去する役割を担っていることを発見しました。現在は、心不全や生活習慣病である脂肪肝などの病気、さらには寿命とオートファジーの関わりについても研究が進められています。