研究の地平

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卵巣がん

がん治療の鍵は「遺伝子」にあり

進行した状態で発見されることが多い「上皮性卵巣がん」は、治療の難しい病ですが、この病の新たな治療法を発見したのが産科学婦人科学 木村正教授、小玉美智子助教らの研究グループです。ヒト卵巣がん細胞の中で活発にタンパク質を作る遺伝子の働きを網羅的に調べることで、ある遺伝子を阻害すると、がん細胞の増殖を止められ、細胞死させることを突き止めました。さらに、この遺伝子の働きを抑制するには、以前ノーベル医学生理学賞で話題になった「抗寄生虫薬のイベルメクチン」が有効なことも明らかに。これを現在の抗がん剤と併用することで、腫瘍を抑える効果がさらに高められます。