研究の地平

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突然死

これまで救えなかった命を救うために

病院での診断・治療を受ける間もなく亡くなってしまう突然死。通常、事件性のない遺体の解剖はほとんど行われないため、その詳しい病状や要因はわからずじまいになるケースが大半です。倒れてすぐに死に至るような未知の循環器疾患についても、その研究は手つかずのままでした。松本博志教授(法医学)らは、死因究明を専門とする法医学の観点から、突然死の死亡機序解明に取り組んでいます。現在は、循環器内科学と連携しながら、突然死を引き起こしやすい遺伝子の特徴を突き止める研究を循環器系に着目してスタート。要因が解明できれば、従来の病院医療では助けられなかった命を救うことに繋がります。

突然死の要因は7割以上が循環器疾患。その特性を見極め、予防や治療に役立てるためには、死因の究明が不可欠だ。