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小児の心肺停止

アドレナリンが子どもの命を救う

心肺停止患者の蘇生措置に広く使われているアドレナリン。日本では、病院外で心停止を起こした場合、患者さんが8歳以上であれば救急隊によるアドレナリン投与が認められています。ところが、小児に対するアドレナリン投与の効果が十分に検証されておらず、投与割合も諸外国よりも低いままでした。北村哲久 准教授(環境医学)らの研究グループは、新たな解析手法を用いて、救急隊によるアドレナリン投与が心停止からの回復に大きな役割を果たしていることを明らかに。この知見をきっかけに、より多くの子どもの命が救われるはずです。

国内の大規模データを解析して得られた同研究の成果は、国際心肺蘇生ガイドラインの改定にも大きな影響を与えるはずです。