椎間板
腰痛に再生医療で挑む。
日本で約1,300万人が患っている腰痛。うち20~40%は椎間板変性が原因と推定され、その多くは、脊椎にクッション性と可動性を与える「髄核」の変性・消失から引き起こされます。一度傷んだ髄核が自然に治ることはありません。そこで妻木範行教授(組織生化学)らの研究グループが試みたのは、再生医療によるアプローチ。まず髄核の中にある軟骨様髄核組織の遺伝子発現を解析し、その性質を明らかにしました。さらにラットを使った実験も実施。髄核のあった場所にヒトiPS細胞から作った軟骨様髄核組織を移植すると、髄核の代わりを果たし、椎間板変性を防ぐことが分かりました。脊椎の機能回復、腰痛の軽減につながる確かな一歩といえるでしょう。
