研究の地平

医療のフロントラインを語るキーワード

ライフスタイルの改善

何歳からでも、遅くない。

食事、運動、飲酒、喫煙などの生活習慣が死亡リスクと関係しているのはよく知られています。しかし、これらの習慣を改善すると、実際にどの程度寿命が延びるのははっきり分かっていませんでした。今回それを解き明かしたのが、坂庭嶺人特任助教(環境医学)らの研究グループです。全国の40~79歳、約46,000人の20年に及ぶ健診データと死亡診断データを基に、生活習慣の改善による寿命延伸効果を分析。若いうちから取り組む方が効果的ではあるものの、80歳以降からでも寿命が延びることが確認されました。さらに、生活習慣病を多く合併しているほどメリットが大きいことも明らかに。治療の継続と同様にライフス タイルの改善も大切であることが示されたのです。

本研究で用いられた改善可能な生活習慣は、ここに挙げた項目のほか、「適正体重の維持」「適量飲酒」があります。