がん悪液質
たくさん食べれば がんと闘える。
進行がん患者に見られる重篤な合併症の一つに「がん悪液質」があります。これは体重の減少と骨格筋量の低下を特徴とし、現時点で有効な薬物治療はほとんどありません。そんな中、食欲刺激、筋肉量増加などの作用を持つホルモンであるグレリンは、治療に活かせる有望な候補と目されています。黒川幸典准教授、土岐祐一郎教授(消化器外科学)らの研究グループが10 病院で試験を実施したところ、グレリンの受容体に作用する経口薬のアナモレリンを投与した患者群で食欲改善と体重増加が示されました。化学療法に伴う食欲不振や嘔気といった副作用の発生率も低下し、安全性も確認済み。今後は、薬物・栄養・運動を組み合わせた多面的な治療の展開が待たれます。