医学部学生が自ら興味と疑問をもち、考える習慣を身につけることが将来、臨床医、臨床医学者、基礎医学者、社会医学者、行政官等のいずれの道に進む上でも重要です。医学部6年間の講義内容は、ヒトという一種類の生物種を形態にはじまり正常機能、疾患、社会との接点等を徹底的に学ぶことを通して、ヒトをトータルに理解することを目的としていると、私は思っています。私が担当する生化学関連の講義では、実際の生命現象における意義を踏まえて、できるだけ全体像が理解できるように努めていきたいと考えています。また、研究に何らかの興味を持った学生の方には、是非研究室に来て、実験に参画してもらいたいと考えています。教員または大学院生とペアになって、まさに今、私達が取り組んでいる課題に一緒にチャレンジしてもらいます。その過程で、生化学的・分子生物学的・細胞生物学的なものの考え方や実験手技を習得してもらいます。学生時代に研究を経験することは、決して無駄なことになりません。良い研究結果を得て、そのデータを世界へのメッセージとして発信できることを期待しています。