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領域発足のメッセージ

上皮管腔組織は、多細胞生物における多くの器官の基盤的構造であり、生体の生理と病理の根幹をなします。生命科学の諸分野の発展により、上皮管腔組織の形成・維持と破綻の根底には、組織幹細胞や組織前駆細胞の増殖と分化、細胞の極性化と脱極性化、管腔構造の形成と維持等の事象が複層的に潜んでいることが明らかになってきました。しかし、これらの研究成果はそれぞれの専門分野の研究者により得られたもので、上皮管腔組織化の機序・破綻を総合的に理解するためには、有機的な連携をもつ研究体制を構築することが必要です。このような背景を受けて、平成23年度より新学術領域研究「上皮管腔組織形成」が発足しました。

本研究領域では様々な分野の研究者が連携して、上皮細胞が三次元的に管腔組織(チューブ様の構造)を形成する過程および形成後に維持する機構の解明とその破綻による病態についての理解を深めることを目的としています。平成27年度まで5年間継続されることが予定され、平成23年度は7つの計画研究班で研究がスタートします。平成24-25年度、平成26-27年度の二度にわたり関連する公募研究課題(公募研究班)を募集します。このような研究班が上皮管腔組織形成を基軸とした連携研究を行い、管腔生物学を創生・確立することを目指します。本領域には、幹細胞生物学、生化学、分子細胞生物学、発生生物学、腫瘍生物学、イメージング生物学、システム生物学等の多様な研究領域の研究者が集い、新たなコンセプトを見出すための研究を展開していきます。是非、多くの方に興味を持っていただき、新たな研究領域の開拓を共に行っていきたいと考えています。

平成23年9月
領域代表 菊池 章