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研究成果

平成24〜25年度: 公募研究03

独自の正常大腸上皮幹細胞培養技術を用いた管腔形成機構の解析
研究代表者: 中村 哲也
研究成果

腸管上皮細胞に焦点をあてた研究を展開し、正常時(BBRC 2012, PLoS One 2013)、あるいは発癌(BBRC 2013, PLoS One 2014 in press)、炎症時(BBRC 2013)におけるこれら細胞の挙動について解析をおこなっています。最近研究代表者は、正常な大腸上皮細胞が極性を保ったまま3次元的に長期にわたり培養する技術を確立し、さらに培養腸管上皮細胞の移植で傷害大腸組織の修復が可能であることを示しました(Nat Med 2012)。この培養・移植技術を応用し、ごく最近にはデンマークのグループとの共同研究で、胎生期の腸管上皮も培養可能であること、そしてこれを生体大腸に移植することに成功しました(Cell Stem Cell 2013)。興味深いことに胎生期腸管上皮細胞は、成体大腸組織への異所移植により一部大腸上皮形質を獲得することが明らかになりました。研究代表者はまた、成体由来の培養小腸上皮移植実験も進めており(未発表)、これら一連の研究を通して消化管上皮組織の部位特異性決定に関わるメカニズムの解明を進めています。