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研究成果

平成24〜25年度: 公募研究08

胆管をモデルとした、管腔構造の発達とチューブ構造形成を制御するメカニズムの解明
研究代表者: 谷水 直樹
研究成果

上皮細胞が構成するチューブ状の組織は、それぞれに適切なサイズの管腔構造を持っています。我々は、肝臓の胆管をチューブ状組織構造のモデルとして用い、肝前駆細胞の3次元培養系を用いて、管腔形成およびそのサイズを制御する分子メカニズムについての研究を行いました。我々は、上皮細胞の裏打ち構造である基底膜の主成分であるラミニンの異なるisoformが、胆管の管腔構造の形成と維持、それぞれに関与していることを明らかにしました (Tanimizu et al. JBC 2012)。また、胆管上皮細胞に特異的な転写因子であるgrainyhead like-2を同定し、Grhl2が管腔構造形成を促進することを見出しました。さらに、Grhl2が上皮細胞のtight junction構成分子であるClaudinの発現およびその局在を制御することでTJの機能的成熟を促して、上皮形態形成を促進していることを明らかにしました (Senga et al. MBC 2012)。このように上皮細胞の構造的な成熟化を促すGrhl2が、胆管上皮細胞の分化可塑性を制御していることも見出しました(Tanimizu et al. JCS 2013)。