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研究成果

平成24〜25年度: 公募研究10

脳胞形成の4次元定量解析
研究代表者: 堀田 耕司
研究成果
カタユウレイボヤ脳胞形成の4次元イメージングとラマン顕微鏡を用いた非ラベル組織同定

これまでの本領域での研究から、以下のことを明らかにしました。まず、(1)ホヤの神経管は神経管閉鎖過程が比較的短時間であり少数の細胞から構成されるため、神経管閉鎖過程を観察するために適したモデルである。ホヤ神経管閉鎖過程を1細胞レベルで理解するために、神経管閉鎖過程における全神経細胞の核をラベルし3次元で時系列画像撮影(4D)を行った。得られた画像の核を計算機上で追跡し、細胞系譜を明らかにすることができた。本計測により、ホヤ脳形成における細胞分裂を含むさまざまな細胞の振るまいを明らかにすることができた(未発表)。(2)ラマン散乱スペクトルを発生期におけるカタユウレイボヤに適用しその応用可能性について検討した。カタユウレイボヤから得られたラマン散乱スペクトル解析により、胚内において局所的なパターンを作るラマンスペクトルをいくつか得ることができた。この内、分化した筋肉と内胚葉に特異的なラマンスペクトルである1002と1526を同定することができた。本研究は脊索動物の個体全体に対し、ラマンスペクトルイメージングにより組織分化を同定することができた最初の報告である。本研究により、ホヤ胚の発生過程を知るうえで、ラマン顕微鏡による非ラベルイメージングが有効な方法であることを示すことができた(Nakamura et al., 2013, PlosOne)。