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研究成果

平成24〜25年度: 公募研究15

光干渉断層画像化法を応用した肺組織構築イメージングシステムの開発
研究代表者: 阿部 宏之
連携研究者: 渡部 裕輝
連携研究者: 黒谷 玲子
研究成果

本領域研究では、呼吸器疾患における新規イメージングの開発のために肺線維層モデルマウスにおいて光干渉断層像法(OCT)による解析を行った。ブレオマイシン(BLM)(8U/Kg)を野生型およびセクレトグロビン3A2(SCGB3A2)ノックアウト(KO)マウスの気管に直接投与し、モデルマウスを作製した。BLMを投与した気管と肺は、投与後1,7,14,28日目に解析した。初めに、BLM投与後1日目の気管上皮細胞の線毛運動をOCTにより観察した。対照群の野生型マウスでは線毛運動が高調信号の変化で検出された。KOマウスでは、信号の変化が小さかった。繊毛運動は、野生型、KOマウスともにBLM投与により減少した。次に、肺の表層と組織にし、OCTイメージングを行った。その結果、正常肺では均一な信号が検出されたが、線維症肺では不均一な信号が検出された。不均一な信号範囲は、BLM投与経過時間に伴って増加した。また、BLM投与28日の肺における線維化層や気腫様構造を呈した肺胞は、それぞれ、低調信号と高調信号として観察された。以上の結果から、OCTにより肺線維症病変を検出できることが示唆された。よって、OCTは呼吸器管腔構造の病変・異常を非侵襲的に診断できる新しい技術でとして期待できる。