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研究成果

平成26〜27年度: 公募研究02

de novo管腔形成の制御機構
研究代表者: 松本 邦弘
研究成果

これまでの本領域での研究から、細胞分裂(M)期スピンドル配向制御にLRRK1が重要なことを明らかにした。管腔形成には、M期スピンドル配向を介した細胞分裂軸の制御が重要なことが知られている。我々は最近、ROCOファミリーキナーゼLRRK1がPLK1及びCDK1によるリン酸化依存的にM期中心体で活性化し、スピンドル配向を制御していることを明らかにした。また、LRRK1の基質として、ショウジョウバエCentrosominのヒトホモログであるCDK5RAP2を同定した。CDK5RAP2は中心体構成因子として、中心体成熟に重要なことが知られている蛋白質である。M期スピンドル配向には中心体からの微小管(星状体微小管)形成が重要であるが、LRRK1はCDK5RAP2のN末CM1モチーフをリン酸化し、CDK5RAP2とγTubulinとの結合を促進することで、γTuRCの活性化を誘導し、中心体微小管nucleation活性を促進していることを明らかにした(Nature Cell Biology, 2015: Cell Cycle, 2015)。以上の結果から、 LRRK1はPLK1及びCDK1の下流でCDK5RAP2依存的な中心体成熟を介してM 期スピンドル配向を制御し、介した細胞分裂軸の制御を介して、管腔形成に機能していることが示唆された。