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研究成果

平成26〜27年度: 公募研究03

細胞外マトリックスの硬さによる上皮管腔組織形成の制御
研究代表者: 木岡 紀幸
連携研究者: 木村 泰久
研究成果

細胞を取り囲むコラーゲンなどの細胞外マトリックス(ECM)の硬さという物理的な要因が、上皮細胞の嚢胞と管腔の形成を調節していることが明らかとなってきています。しかし、細胞がECMの硬さを感知して細胞の挙動を調節する仕組みはほとんどわかっていません。私たちは、繊維芽細胞においては、細胞−ECM間の接着装置(細胞接着斑)の構成タンパク質ビンキュリンとビネキシンの相互作用がECMの硬さを感知するセンサーとして働いていること、これらの分子がECMの硬さによる細胞遊走の調節を担っていることを明らかにしました。また、ビネキシンのパラログであるCAPは同様の機能をもつが、別のビネキシンパラログであるArgBP2はそのような機能はないことを明らかとしました。さらに、上皮細胞において、ECMの硬さが嚢胞と管腔の形成を制御している仕組みを明らかにするため、ビンキュリンの遺伝子破壊乳腺上皮細胞とそこにビンキュリンを再導入した細胞を作成しました。これらの細胞を用いてコラーゲンゲル中での嚢胞管腔形成実験を行い、ビンキュリンが上皮細胞の嚢胞形成に関与していることを示す結果を得つつある。