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研究成果

平成26〜27年度: 公募研究04

革新的イメージングによる上皮細胞間コミュニケーションの異常における力の役割
研究代表者: 山城 佐和子
研究成果

細胞外基質(ECM) のリモデリングは細胞の移動と関連し、初期胚発生における細胞移動や、癌浸潤に先行して起こることが知られています。昨年までの本領域での研究から、高効率・高精度の蛍光1分子イメージングを開発し、培養繊維芽細胞において、接着斑前方ではアクチン線維が接着斑に集まるように速いスピードで流動することを見出しました (Yamashiro et al., Mol. Biol. Cell, 2014; Yamashiro et al., Methods Cell Biol., 2015)。本年度は、(1)細胞辺縁の細胞仮足内で絶え間なく起こるアクチン線維の求心性流動が、接着斑の有無に関わらず、仮足全体で接着分子(ビンキュリン、タリン、インテグリン)と連結することと、(2)コラーゲンゲル上培養系において、上皮細胞の細胞仮足周辺で、コラーゲンゲルが細胞仮足に向かって移動することを明らかにしました(投稿準備中)。これらの結果は、流動力が接着分子を介してECMと連結することで、細胞仮足がECMを掴み、求心的に掻き集める可能性を示唆します。細胞仮足が‘つかみ取る’動きは、ECMの再配向に寄与する可能性があり、ECMリモデリングを伴う生体運動や病態生理の理解に繋がることが期待できます。