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研究成果

平成26〜27年度: 公募研究11

多段階発がん過程における細胞競合の意義
研究代表者: 昆 俊亮
連携研究者: 藤田 恭之
連携研究者: 北本 祥
研究成果

本研究領域で行った研究につきまして、以下のような成果が得られました。(1)マウス腸管上皮細胞に恒常活性化型Ras変異をモザイク状に発現誘導できる細胞競合マウスモデルを構築いたしました(論文投稿中)。(2)(1)の細胞競合マウスモデルを用いて、正常細胞に囲まれたRas変異細胞が生体内でも管腔側へ排除されることをex vivoin vivoの両系で観察いたしました(論文投稿中)。(3) 家族性大腸がんの原因遺伝子であるAPC遺伝子に変異を有するAPCminマウスを上記(1)の細胞競合マウスモデルと交配させ、APC変異上皮細胞層にRas変異をモザイク状に誘導したとき、基底膜を抜け間質組織へと進行・浸潤するRas変異細胞数が増加することを見出しました(未発表)。(4)さらに、上記APC/Ras二重変異細胞は絨毛上部間質内で増殖・拡張しde novoがんを発症することが分かりました(未発表)。(5) MDCK(イヌ腎上皮)細胞を用いた培養細胞系にて、正常上皮層にTP53遺伝子に変異を有する細胞をモザイク状に誘導したとき、正常細胞に囲まれたp53変異細胞がネクロプトーシス様の細胞死を起こすことを見出しました(未発表)。さらに、(4)Ras変異細胞層にp53変異をモザイク誘導させると、上記(3)で見られたような細胞死は起こらず、Ras/p53二重変異細胞は細胞競合による排除圧に対する抵抗性を獲得すること(未発表)、を明らかにしました。