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研究成果

平成26〜27年度: 公募研究15

マウス及びヒト発生期腎臓における管腔上皮形成機構と破綻
研究代表者: 西中村 隆一
研究成果

腎臓は後腎間葉と尿管芽という2つの組織の相互作用によって発生します。間葉は上皮化して管腔を形成し(間葉上皮転換)、尿管芽由来の管腔と接続して、一続きの機能単位ネフロンを形成します。Myh9/10は非筋肉型ミオシンIIの重鎖をコードし、特にMyh9はヒト遺伝性腎臓疾患の原因遺伝子でもあります。そこでMyh9とMyh10を後腎間葉でノックアウトしたマウスを作製しました。するとネフロン形成が重度に障害され、すべてのマウスが生後すぐに死亡しました。未熟なネフロンの管腔伸長が阻害されて細胞死を起こしてしまうせいであり、ネフロン上皮管腔側のミオシンによる収縮が不十分なためと考えられました。さらにネフロン前駆細胞の接着が低下し、出生時の前駆細胞数も減少しました。したがって 非筋肉型ミオシンII は未熟なネフロンの形態形成及び前駆細胞の維持に必須であることが明らかになりました。