上皮管腔組織形成には、細胞が頂底極性を確立することがまず重要です。この上皮細胞の極性形成の基盤を作るものの一つとして細胞内物質輸送が重要であることが知られています。我々は種々の細胞内物質輸送に必要な因子(Rab8, Syntaxin-3等)を同定し、解析を行なってきました。それらの中には上皮細胞の頂低極性に重要な分子も同定されました。本研究ではそれらの詳細な分子機構を明らかにしたいと考えています。具体的にはそれらの分子の結合タンパク質の同定を行い、同定された分子が膜輸送のどのステップ（輸送小胞の出芽、運動、融合）で機能するかを培養細胞で詳細に解析します。さらにそれらの分子が上皮管腔形成にどのように機能するのかを明らかにするために上皮培養細胞を用いた３次元培養法を用いて解析します。また上記で解析された経路において上皮極性形成に重要な機能をもつ積荷タンパク質(Cargo)を同定することを目指します。