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平成24〜25年度: 公募研究09

腎尿細管構造の維持機構解析の基盤となる一次繊毛蛋白による細胞周期調節のしくみ
研究代表者: 芝 大
連携研究者: 福井 一

研究概要

一次繊毛は細胞表面から突き出した細胞内小器官であり、外界の情報を感受する細胞センサーであると想定されている。近年、腎尿細管上皮に存在する一次繊毛の機能不全が、平面細胞極性(PCP)の破綻に関連し、嚢胞腎発症に関与することが報告されてきた。しかし、尿細管上皮細胞では一次繊毛蛋白と PCP 関連蛋白の細胞内局在は一致せず、繊毛から送り出されているであろうシグナルがどこで PCP シグナルと関連するのか明らかになっていない。

一次繊毛の形成は細胞周期と密接な関係があり、G1/G0 期で繊毛が形成され、S・G2 期で消失する(図)。繊毛消失にともない大部分の繊毛局在蛋白は分解されるが、分解されずその局在を変える蛋白もある。この分解されない繊毛蛋白が細胞分裂軸や細胞周期の制御に機能しており、腎尿細管の管腔構造維持に機能していると仮説を立て、それを検証する。本研究により、一次繊毛による細胞周期制御の一端も世界に先駆けて解明できることが期待され、「繊毛⇒細胞周期制御」という新たな研究領域の開拓につながることが期待される。