低コヒーレンス光干渉を利用した光干渉断層画像化法（オプティカル・コヒーレント・トモグラフィ：OCT）は、弱い近赤外光を生体に照射し、生体試料の断層画像を撮影する技術です。この技術は、人体に害のない微弱な近赤外光を用いるため無侵襲計測であり、超音波画像診断と比べて高分解能を有する特長があります。本研究では、画像解析能力を向上させたOCTシステムを開発し、管腔組織内の上皮細胞を非接触・無侵襲・リアルタイムに画像化できる新しい管腔組織可視化システムの構築を目指します。また、マウス胎仔及び新生仔の肺をモデル系に、気管支の分岐と上皮細胞の分化を人為的にコントロールできる器官培養システムを開発し、肺管腔組織形成のメカニズムを解析します。高感度OCT技術と管腔組織形成メカニズム解析により、肺管腔組織の「正常」と「異常」の状態を、非侵襲・リアルタイムに観察できる新しい管腔組織解析システムの開発を目指します。