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公募研究

平成24〜25年度: 公募研究16

多能性幹細胞由来肝幹・前駆細胞を用いた胆管疾患解析系の構築
研究代表者: 紙谷 聡英
連携研究者: 柿沼 晴

研究概要

肝発生過程では腸管の一部から誘導された肝芽中で肝幹・前駆細胞の分化・増殖が生じる。胆管は胆汁酸の輸送に関わる上皮系管腔であり、肝発生中期から後期にかけて肝幹・前駆細胞の一部がDuctal plateの形成を通して肝内胆管細胞へと分化する。炎症等による肝内胆管の損傷は胆汁酸による肝細胞死を誘導し重篤な肝疾患につながる。また、胆管細胞の機能異常は肝嚢胞などの原因となる。しかし、胆管細胞研究はマウス等の実験動物が中心で、ヒト細胞を用いた胆管病態を再現できる実験系などが存在しなかった。我々は、肝幹・前駆細胞の細胞表面抗原マーカーを特定し、ヒトiPS細胞にサイトカインを連続的に添加し肝分化を誘導した後に、肝幹・前駆細胞表面マーカーを用いることで、肝幹・前駆細胞を純化・培養系を構築している。そこで本研究では、ヒトiPS細胞から肝幹・前駆細胞を介した胆管細胞への分化誘導系を確立し、ヒト細胞を用いた胆管形成の分子機構の解析を行う。また、胆管疾患の患者サンプルからの胆管誘導系を構築することで、胆管障害や分化異常のin vitroin vivo解析系を構築し、薬物スクリーニング等への応用を目指す。