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平成24〜25年度: 公募研究23

大腸上皮の癌化に伴う管腔形成異常メカニズムの解明
研究代表者: 佐藤 俊朗

研究概要

腸管上皮は腺管構造を形成し、水分・栄養の消化吸収を司る組織であります。通常、腸管上皮は様々なルール(例えば細胞の極性や単層であること、分化細胞が腸管内腔に存在することなど)に従って常に一定の腺管構造を示します。しかし、上皮細胞の腫瘍化とともに、その腺管構造はダイナミックに変化し、そのようなルールを破ることができるようになります。腫瘍組織のこうした変化は、遺伝子変異によって獲得した自律的な増殖能と相関しており、その構造変化は臨床においても病理診断学的に重要なものとなっております。しかしながら、遺伝子変異とこうした腺管構造異常変化のメカニズムはほとんどわかっておりません。

我々は、マウスやヒトの純粋な腸管上皮細胞(線維芽細胞の混入がない)の培養を世界で初めて開発しました。この培養法では腸管上皮細胞が生体内の腺管構造を擬似したオルガノイドと呼ばれる三次元組織構造体を形成します。大腸癌などの腫瘍細胞を同様な方法により培養した場合、明らかに異なったオルガノイドを形成することがわかっており、この培養法を用いることにより、遺伝子変異と腺管構造の変化を研究したいと考えております。