• 公募研究
  • 文部科学省
HOME 公募研究 > 平成26〜27年度: 公募研究10
公募研究(平成26〜27年度)

平成26〜27年度: 公募研究10

上皮組織の分化パターンと形態形成をつなぐ力学制御メカニズムの解明
研究代表者: 永樂 元次

研究概要

上皮組織の形態形成を理解するためには、細胞の分化や増殖などを制御する化学的特性と組織の物性や内部応力などの力学的特性の二つの側面を明らかにする必要がある。申請者はこれまでに、胚性幹細胞(ES細胞)からの分化誘導系を用いて、in vitroでマウスおよびヒトの眼杯形成を再現できる実験系を構築した。解析の結果、網膜前駆神経上皮はcanonical Wntシグナルにより神経網膜(NR)と網膜色素上皮(RPE)の二つの分化状態へと領域化され、ミオシン活性の時空間制御を通じて、領域特異的な物性を獲得することが眼杯形成に必要であることが明らかになった。しかしながらこういった化学的シグナルがどのようにして組織の形態変化を実現する力学的シグナルへと変換されるのかという分子レベルのメカニズムについては、他の多くの上皮形態形成過程と同様にほとんど明らかにされていない。そこで本研究では、ES細胞からの眼杯形成系を用いて、上皮組織において化学的シグナルが力学的シグナルに変換されるための分子機構を明らかにし、in vitroで上皮組織の変形をコントロールする技術の確立を目指す。