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公募研究(平成26〜27年度)

平成26〜27年度: 公募研究11

多段階発がん過程における細胞競合の意義
研究代表者: 昆 俊亮
連携研究者: 藤田 恭之
連携研究者: 北本 祥

研究概要

最近の研究により、正常上皮層にがん変異を有した細胞が発生したとき、細胞競合により変異細胞が上皮層より排除されることが明らかとなってきました。しかしながら、上皮管腔組織の恒常性維持を支えるこのような現象が、哺乳動物生体内で実際に起こっているかは不明でありました。そこで我々は世界初の細胞競合マウスモデルの開発に着手し、上記の発がんに対する生理的防御機構が哺乳動物の生体内にも存在することを明らかにしてきました。本研究では、この細胞競合マウスモデルを最大限活用し、上皮管腔組織の破綻および発がんにおける細胞競合の役割を明らかにすることへと発展させます。実際のがん進展において、特定の遺伝子変異が蓄積し、さらには一定の規則性をもって多段階的に変異が生じていきます。そこで、APC→K-ras→p53の順序で変異が蓄積することが知られている家族性大腸癌をモデルとして、これらの変異の積み重ねにより、上皮層での正常細胞と変異細胞の生存競争のバランスがどのように変動するかを検討していきます。