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ヒト死後脳を用いた神経変性疾患の発症予測因子の探索
- 研究の目的・意義
- パーキンソン病は、主に中高年以降に発症する神経変性疾患の1つであり、中脳黒質のドパミン産生神経細胞が脱落することにより様々な運動障害を呈します。原因は不明ですが、神経細胞内にαシヌクレインという蛋白が異常に蓄積し、かつこれが脳内を伝播することが病態と関連することが報告されています。過去の連続病理解析より、中枢神経では、αシヌクレインが最も初期に蓄積する部位として嗅球と延髄迷走神経背側核が同定されました。パーキンソン病症例では運動症状の発症前に嗅覚障害を訴えるケースが多く、嗅球が異常αシヌクレインの脳内伝搬の拠点となり、さらにその障害がパーキンソン病発症の引き金となっている可能性が考えられます。
今回、既に病理解剖にて採取・保管されている嗅球組織を用い、細胞内の遺伝子発現を網羅的に調査し、αシヌクレインの異常蓄積ならびにパーキンソン病の発症に直接関連する因子の同定を目的としています。本研究の成果はパーキンソン病の発症を未然に防ぐ画期的な治療法の開発につながる可能性があります。
- 研究の方法
- 解剖後、取り出した脳・脊髄組織のうち半分は病理診断に用いられます。残りの半分に関して凍結処理ののち保管されている検体を用います。
- 研究機関
- 大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学
東京都健康長寿医療センター
- 対象となる方
- 筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、多系統萎縮症などの神経変性疾患を中心として、当院で既に病理解剖を受けられた方。
- 予想される利益と不利益
- この研究の結果が、患者さんに有益な情報をもたらす可能性はありません。しかし、本研究の成果は医学の発展に寄与するもので、将来患者さんと同じような病気に苦しむ方々の診断や予防、治療などがより効果的に行われるようになることが期待されます。
- 個人情報の取り扱い
- この研究で得られた結果は、貴重な資料として学会や医学雑誌に公表されることがあります。その場合、患者さんの個人情報は、外部からは特定できないよう厳重に管理されます。また、この研究が適切に行われているかを確認するために関係者がカルテなどを見ることがありますが、その場合もプライバシーは守られます。
この研究について、さらに詳しい内容を知りたい場合は、研究責任者あるいは外来担当医師までお問い合わせください。
- お問い合せ先
- 大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学
- 研究責任者:望月 秀樹/職名:教授
- 研究分担者:別宮 豪一/職名:助教
- 電話番号:06-6879-3571
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