8)消化管穿孔部が同定できなかった胎便性腹膜炎の1女児例
在胎26週5日に胎児エコー上腹水および石灰化を認め胎便性腹膜炎(以下MP)が疑われた。在胎33週3日経膣分娩にて出生、体重2468g。出生後の精査でもMPと診断、腹水や腸管拡張が著明であったことから緊急手術を施行した。腹腔内は胎便を含む腹水と壊死組織が殆どを占め、下部腸管の検索が困難であったため上部空腸に腸瘻を造設した。炎症の改善を待って二期的手術を計画したが、経過観察中炎症が再燃・増悪し再び緊急手術を施行した。この際も原因検索は困難で全身状態が不良であったため洗浄ドレナージのみとなった。生後2ヶ月目に3回目の手術を施行。壊死組織は残存していたが、消化管との関連は認めなかった。さらに全消化管を検索したがMPの原因となる腸閉鎖や狭窄などの所見は無く、腸瘻より肛側腸管は全て正常であった。術前診断および初回の開腹所見などはMPを示唆していたがその原因となる病態は見出せず、胎児期の発症から生後2ヶ月目までの間に消化管穿孔部位が自然治癒したものと思われた。