DOEFF vol10
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          ・大阪大学大学院医学系研究科組織生化学教授・京都大学 iPS細胞研究所教授・大阪大学大学院医学系研究科骨・軟骨形成制御学独立准教授・大阪大学大学院医学系研究科整形外科助手・大阪警察病院整形外科副医長・大阪大学医学部整形外科助手・アメリカ国立衛生研究所(NIH)客員研究員・大阪大学大学院医学系研究科博士課程進学・大阪大学医学部附属病院研修医・大阪大学医学部卒業Biography2021年に再び阪大に戻り、今年の4月には、iPS細胞から軟骨組織を作製してラットに移植し、椎間板の「髄核」と呼ばれる部位の再生に成功しました。髄核は軟骨によく似た組織です。これを人に応用できれば、腰痛の根治も夢ではありません。大学院生の頃、ひたすら遺伝子クローニングに勤しんでいたのに比べれば、かなり臨床現場に近づいた仕事になっていると感慨深いものがあります。私の研究室に掲げている標語は「軟骨をあきらめない」。金属を使わなくても関節を治療できる未来は確実に見えてきています。技術の進歩は日々加速し、あるスキルを身に付けても10年後には陳腐になる時代です。はっきりいえば、将来どうなるかは誰にも分かりません。私も、医学部に入って整形外科医を志す頃までは、基礎研究をやるなんて思ってもみませんでした。どんな状況下でも、適切に判断し、柔軟に対応するには、日頃から新しい知識を取り入れるなど地道な研鑽がものを言います。今後は、自ら道を切り拓けるような若い研究者の育成にも力を入れていきたいですね。15198919921996199819992002200720112021DOEFF Vol. 10腰痛の根治にチャレンジ。

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