DOEFF vol10
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} 保 eX-bik吉森大阪大学大学院医学系研究科遺伝学教授クロスバイクで往復8キロの道のりを通勤しています。坂を上るときも快適。膝に負担をかけずに運動できます。40代の頃は、研究活動に忙殺されて体を動かせていませんでした。すると、長時間に及ぶデスクワークの影響で、肩や背中の凝りに悩まされるようになります。「なんとかしなくては」と50歳を過ぎた頃にランニングを始めました。初めは400メートルほどで息切れする始末でしたが、毎日続けていると距離は延びてくるもの。次第に「どこまで行けるかな」と面白くなってきました。20キロを走破したところで自信がつき、思い切ってフルマラソンに挑戦したら無事完走。走り始めてここまで1年経っていなかったはずです。ほかの教授たちとともにランニングサークルも発足しました。仲間からの刺激があると、一人よりも断然続けやすいと感じます。最近は、林道や登山道を走る「トレイルランニング」にはまっています。自然豊かなコースをハイキング細胞が自らのタンパク質を分解する「オートファジー」が、生活習慣病の予防に役立つことが分かってきました。これは空腹時のほか、食品中の成分によっても活性化します。納豆のスペルミジン、鮭のアスタキサンチン、赤ワインのレスベラトロールなどが効果的。さらに、有酸素運動や規則正しい睡眠もオートファジーを活発にすることが報告されています。感覚で楽しめるのが醍醐味。マラソンのように記録は気にしません。50キロほどの道のりを徒歩も交え て自分のペースで。疲れすぎず、終わった後おいしくビールを飲めるのがいいですね。走っているとき、仕事のことは一切考えません。締切が気になっても無理やり忘れます。むしろ、それが仕事にとって大事だからです。研究を長く続けていると、思考が堂々めぐりになって行き詰まることも。そんなときは全部忘れて一度リセットすると、新たな視点に気づいて、再び進むことができます。ランニングだけでなく、新しいことにチャレンジするにあたり、年齢は関係ありません。「年寄りの冷や 水」という言葉は嫌いです。60歳過ぎてベンチャー企業を立ち上げましたし、最近は自転車通勤を始めました。このことも健康の秘訣かもしれませんね。16

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