} trYogu野々村祝夫大阪大学大学院医学系研究科泌尿器科学教授臨床や研究の最前線に立ち、多忙な日々を送るドクターは、どのように自らの健康をキープしているのでしょうか。最新の知見を取り入れたり、ひたすら趣味を究めたり……そのスタイルはさまざまです。「医者の不養生」を覆す「元気の素」をご紹介します。ヨーグルトは長年の相棒です。アメリカ留学時もヨーグルト菌を使って牛乳から手作りした思い出があります。健康を意識するようになったきっかけは、教授になって間もない頃に体重が急増したこと。会合や講演会に招かれる機会が格段に増え、会食続きだったことが原因だったと思います。そこでダイエットを決意したのですが、糖質カットや夕食を抜くなど極端に食生活を変えると、長続きしないばかりかリバウンドしかねません。妻にも相談して、まずは朝食のパンをご飯に置き換えることに。パンは腹持ちが悪くかえって昼に食べすぎてしまううえに、バターを塗ると脂質の過剰摂取につながるからです。夕食の量も少し減らしました。こうして、心身に負担をかけることなく5年間で約12キロの減量に成功。お酒はあまり制限しませんでした。ただ、酔っぱらって足元がおぼつかなくなるとか羽目を外すとかは今まで1回もないです。適量を気持ちよく飲むのが一前立腺がんに関する研究をライフワークにしています。前立腺がんの予防に効果的な食材の代表例は大豆です。一方で、避けるべき食材は加工肉。近年は、大豆から作られた代替肉がポピュラーになりつつありますのでおすすめです。このほかにも効果があるのはトマトやブロッコリー。これらを上手に取り入れましょう。番。自宅にワインセラーがあって、週に3回ほど、妻とワインを飲んでいます。趣味はゴルフです。週1回程度のペースでコースに出るほか、仕事後の打ちっぱなしが日課。健康法といえるかは分かりませんが、ストレス解消になっているのは間違いありません。豊かな緑に囲まれてプレーするのは本当に気持ちがいい。学生たちにも趣味を持つよう勧めています。年齢やライフステージの変化に関わらず続けられるものが望ましいです。しっかり休むことも必要。週に1度はテレビを見たり読書をしたりして過ごします。ぼんやりと考えを巡らせる時間は大切です。ペースダウンすると、自身を振り返る余裕が生まれ、新しいアイデアがひらめくこともありますから。休養は、研究者にとって仕事の質を高めることにもつながるのです。 17
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