DOEFF vol15
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自分のオルガノイドを治療や予防に活かす時代へ。移植手術を受けるまで悪化するのを回避できる。多くの病気の、特に末期において残された数少ない治療法が臓器移植です。しかしながら、亡くなった方や健康な方から臓器を取り出さなければならないのが難点で、常にドナー(臓器提供者)は不足しています。この課題を解決するための有力な方法として注目されているのが再生医療です。これまで多くの研究者が、iPS細胞からある特定の細胞に分化させることに力を注いできました。しかし私たちは、その次のステージに行きたいと考えています。例えば、テレビドラマは、主役だけで成り立つのではなく、脇役たちが引き立て役となって全体が面白くなります。それは細胞でも同じではないか。多様な細胞が集結して、それぞれの役割を果たしながら臓器として機能しています。そういうドラマ(=臓器)を再現しようとしているのが私たちの研究なのです。多くの登場人物にフォーカスする分、研究は複雑になり、10第 4 回 :再 生 医 療「ミ ニ臓器」で医療はオーダーメイドになる。

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