・大阪大学ヒューマン・メタバース疾患研究拠点拠点長(兼任)・大阪大学大学院医学系研究科眼科学教授・東北大学大学院医学系研究科眼科学教授・大阪大学大学院医学系研究科眼科学助教授・大阪大学大学院医学系研究科眼科学助手・アメリカソーク研究所研究員・京都府立医科大学医学部助手・大阪大学医学部卒業あらゆる枠を越えて、新しい医療の形を作りたい。苦労したかいあって、口腔粘膜由来のシートと比べるときわめて透明度が高いものになりました。他人の iPS 細胞由来であることから生じる拒絶反応も、ある程度抑えられています。ヒトでの臨床研究は終了し、現在は経過観察中。これから企業による治験が始まります。iPS 細胞を活用する研究の成果は、角膜にとどまりません。結膜上皮や涙腺を含む眼球全体の再現にも成功しました。これは近年脚光を浴びているオルガノイド(ミニ臓器)。再生医療の可能性はさらに広がっているといえるでしょう。現在は、2022 年に阪大で発足した「ヒューマン・メタバース疾患研究拠点」の拠点長を兼務しています。この拠点のコンセプトは、医学と情報科学の融合。個々の患者さんの分身である「バイオ・デジタル・ツイン」をコンピューター上で構築し、将来の発症シミュレーションを行うとともに、投薬をはじめとした治療がどの程度効果的かを予測します。専門領域の枠を越え、世界中を巻き込んで、新しい医療の形をつくりたいですね。私にとってはまさに新しいチャレンジとなります。モチベーションの素となっているのは好奇心かな、と。世間では、60 歳ぐらいでリタイアするのが一般的ですが、私は 60 を過ぎてもオリジナルな仕事はできると信じています。年齢を重ねて視野が広がり、若い頃よりもアイデアが湧いてくると感じるほどです。その結果として、一人でも多くの患者さんを救えるなら、これほど嬉しいことはありません。172004200620102022DOEFF Vol. 151988199219982000Biography
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