夫婦で二人三脚。家族の絆も強まりました。小 玉 尚 宏留 学 先 :研究者にとって、留学はかけがえのない体験。当時の思い出を語っていただきました。ア メ リ カヒ ュ ー ス ト ン ・メ ソ ジ ス ト 研 究 所大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 助教間はしっかり確保できます。家族の絆が強まったという副産物もあり、本当に恵まれた環境でした。留学中に実感したのは、コラボレーションの重要性です。各々の強みを活かして協力する姿勢が根付いていたのは、それが大きな成果につながると認識されていたから。サイエンスが真理の追究であるのは当然ですが、そこではコミュニケーション能力が欠かせないのだとあらためて気付きました。帰国から 10 年が経ち、持ち帰った種から着実に研究を進展させられたという手ごたえを感じています。留学が今の自分を形作ったのは間違いありません。▲ 帰国 2 日前にボス夫妻、妻とともに記念撮影。ボスや私たち以外にも夫妻が多いラボで、しばしば開かれる食事会で皆と親睦を深めたのも良い思い出です。▼ 現地で自ら音頭をとって結成した日本人研究者コミュニティの仲間と。医学の道で武者修行する同志だから気が合いました。今も共同研究など多方面でつながっています。大学院で肝臓病の進行メカニズムを研究するうち、ゲノムの中を飛び回って遺伝子の変異を引き起こすトランスポゾンに興味を持ちました。病因を探る手掛かりとしてこれを深く学びたい。そう考えて留学した先が、この分野の第一人者であるニール・コープランドとナンシー・ジェンキンスの博士夫妻が率いるヒューストン・メソジスト研究所です。一家 4 人で渡米し、はじめ妻は別の機関に通っていましたが、博士夫妻の温かいご配慮で同研究所への移籍が実現。まさに二人三脚で研究に励みました。といっても夕方には終わるため、子どもたちとの時DOEFF Vol. 1527
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