DOEFF_vol1
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細胞外細胞内18電位依存性プロトンチャネル電位依存性プロトンチャネル(VSOP)電位依存性脱リン酸化酵素電位依存性脱リン酸化酵素(VSP)電位センサー細胞膜イオンの流れ小孔イオンの流れ脱リン酸化酵素小孔がなくイオンがどこを通っているかは不明。イオンを通さないが電位を感じて酵素が働く。さまざまな医療分野においてめざましい業績を積み重ねてきた大阪大学大学院医学系研究科。ここでは5つのキーワードから、最先端の研究成果にフォーカス。ここからは医療の未来が見えてきます。電位依存性イオンチャネル電位依存性イオンチャネ電位依存性イオンチャネルルル電位依存性イオンチャネル電位依存性イオンチャネKeyword n0.1身体の電気信号電位センサーが電位を感じたら小孔が開く。人は電気で動いている。意外に聞こえるかもしれませんが、医学的に証明された事実です。私たちの心臓も筋肉もすべて、微弱な電流が流れることで動きます。その電気の流れを生み出しているのがナトリウムやカリウムなどのイオン。イオンは通常、細胞膜を貫通するタンパク質「電位依存性イオンチャネル」を介して細胞の内外を行き来します。統合生理学の岡村康司教授らは、ユニークな電位依存性タンパク質「電位依存性脱リン酸化酵素(VSP)」と「電位依存性プロトンチャネル(VSOP)」を発見し、その仕組みを明らかにしました。この2つのチャネルは通常のチャネルとは異なり、イオンが通る小孔がないことが特徴です。またVSPは酵素がついていること、VSOPは電位センサーのみで構成されていることも明らかになりました(図)。この発見は生理学分野におけるパラダイムシフトであり、これにより脂質の代謝や免疫細胞の活性化など、電気信号の新たな役割が明らかになりつつあります。私たちの身体を動かすものは何?医療のフロントラインを語る5つのキーワード

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