DOEFF_vol2
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W100mm x H79mm放射線単独療法扁桃HPV感染鎮静剤のひとつであるミダゾラムを用いると、免疫系の機能が低下することがわかりました。ヒトパピローマウイルス(HPV)を原因とする中咽頭がんには、放射線治療のみを使用。手術、抗がん剤治療を行わないため、患者さんの身体への負担が抑えられます。W100mm x H79mm未熟樹状細胞未熟樹状細胞成熟樹状細胞通常成熟が抑えられる鎮静剤「ミダゾラム」を用いた場合20免疫機能を下げない。それが未来の麻酔Keyword n0.5予後が良い鎮静剤生活の質をキープして治療する時代にKeyword n0.4ノドのがんノドにできる中咽頭がんの原因として明らかになっているのは「酒・たばこ、ヒトパピローマウイルス(HPV)」。これまで中咽頭がんは、原因に関わらず手術、抗がん剤治療、放射線治療を組み合わせて治療を行ってきましたが、副作用による患者さんのクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の低下が問題視されてきました。そこで、猪原秀典教授(耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)らは、HPVによる中咽頭がんを、放射線のみで治療する方法を開発。臨床試験の結果、治療効果は変わらないままで、QOLが向上することがわかっています。敗血症は細菌感染によって起こる病気で、予後が悪く、死亡率は4~6割にも上ります。予後を悪化させる原因のひとつであると疑われてきたのが鎮静剤です。藤野裕士教授(麻酔・集中治療医学)らの研究グループは、手術後に投与される鎮静剤は、痛みを抑える一方で、免疫機能を低下させる可能性に着目。実際、マウスを用いた実験で、鎮静剤の種類によって免疫の反応が変わることを示しました。今後は、ヒト敗血症の患者さんを対象に研究を進め、免疫機能を低下させず、予後を悪化させない鎮静剤を特定することが期待されています。

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