DOEFF_vol3
18/24
16【 写真協力 】緒方洪庵記念財団、大阪大学適塾記念センター除痘館は、大阪大学医学部の源流である「適塾」の創始者である緒方洪庵が古手町(道修町)に開設した、天然痘(疱瘡)に対する予防ワクチンの普及を目的とした医療施設。ワクチンの接種、分苗、保存に関するノウハウを指導する日本で最初の医療技術の教育機関でもある。ここで学んだ者には「種痘医免許」が与えられた。除痘館を中心に西日本各地に広まった分苗施設は170にも及び、日本での天然痘撲滅の先駆けとなる。明治政府は国内初の官立病院として上本町大福寺に大阪仮病院を、関西初の官立医学校として大阪医学校を開設した。洪庵の息子である緒方惟準が病院と学校の責任者を務めたほか、多くの適塾関係者がここに参加。医学校の教頭には、オランダ人医師ボードウィンを迎えた。この仮病院と医学校が、現在の大阪大学医学部の始まりと言われている。除痘館で予防接種を受けた者に発行された種痘済証。仮病院の開設日に撮影された集合写真。2列目中央の白衣の人物はオランダ人医師ボードウィン。その前が緒方惟準。除痘館跡の石碑。当初は牛の皮膚で痘苗を培養していたことから、牛が病気を退治する様子が描かれている。除痘館で用いられていた除痘針。痘苗(弱体化した天然痘ウイルス)を予防接種する際に使われた。[Vol.03 ]大阪仮病院と大阪医学校が開設除痘館が開設
元のページ
../index.html#18