DOEFF_vol4
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がんの栄養源を抑える新たな治療薬正常な細胞よりも早いペースで増殖するがん細胞は、アミノ酸などの栄養素をより多く必要とします。そこで金井好克教授(生体システム薬理学)らは、細胞にアミノ酸を供給する「アミノ酸トランスポーター」に着目。がん細胞に特有の「LAT1」というトランスポーターが、多量のアミノ酸を供給する役割を果たしていることを明らかにしました。この発見をもとに、LAT1の働きを阻害することでがんの増殖を抑える薬や、LAT1を標識としたがんの診断技術の開発が進んでいます。LAT1はほとんどのがん細胞で見つかっているため、多くのがんに有効な治療法、診断技術が生まれることが期待されています。細胞膜アミノ酸アミノ酸LAT2LAT1正常細胞がん細胞画像診断DOEFF Vol. 0419X線CTPETAIが医師のもうひとつの「眼」になるメスを入れることなく病気の有無を判定できる画像診断。近年では診断件数の増加と検査技術の進歩によって、膨大な量の画像データを集められるようになりました。一方で、大量の画像を解析する医師の負担増は大きな課題となっています。こうした状況を打開するために、富山憲幸教授(放射線医学)らが取り組んでいるのが、人工知能(AI)を用いた画像診断支援システムの研究開発です。熟練の放射線科医による診断結果を集積したデータベースに基づいて、より高精度な診断をサポートするAIの実用化を目指しています。KeywordLAT1の働きを阻害し、がん細胞の増殖のトリガーとなるアミノ酸の供給を遮断する薬の開発が始まっています。将来的には、病気を発見するだけではなく、病気だと判断するまでの思考プロセスを説明できるAIの開発を目指します。がんとアミノ酸Keyword

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