DOEFF_vol4
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認知プロセス人はなぜ「美しい」と感じるの?芸術作品を目にしたとき、人はさまざまな感情を抱きます。目から得た視覚情報が、脳でどのように処理され、どんな感情を引き起こすのか。この難題に取り組んでいるのが、内藤智之講師、佐藤宏道教授(認知行動科学)らの研究グループです。人工知能(AI)を用いたアプローチで「感性」の解析を続けた結果、AIに美醜の概念を学習させるまでに至りました。今後さらに人の感性の仕組みが明らかになれば、あるデザインやイメージが鑑賞者にどのような反応を引き起こすか、事前に予測できる技術が生み出せるはずです。竹田潔教授(免疫制御学)らは、乳酸菌をはじめとした腸内細菌がつくる乳酸・ピルビン酸が、小腸の免疫細胞「マクロファージ」を活性化する仕組みを解明しました。乳酸・ピルビン酸をマウスに投与する実験では、活性化したマクロファージが樹状突起を伸ばし、病原性細菌であるサルモネラ菌を捕獲。未投与のマウスと比べて、サルモネラ菌への抵抗性が高まっていることもわかりました。これらの成果は、腸内細菌のバランスが免疫機能とどのように関係しているのかを解き明かす、重要な手がかりとなります。風邪をひかないのも乳酸菌のおかげ?20乳酸・ピルビン酸(+)乳酸・ピルビン酸(―)ピルビン酸乳酸GPR31GPR31マクロファージマクロファージ乳酸菌などの腸内細菌小腸上皮細胞マクロファージは効率よく病原菌細菌を取り込むマクロファージはうまく病原菌細菌を取り込めない病原性細菌に対する免疫反応が増加病原性細菌に対する抵抗生が増加病原性細菌に対する免疫反応が増加病原性細菌に対する抵抗生が増加Keywordアートと脳乳酸・ピルビン酸は、マクロファージの細胞表面に発現する受容体「GPR31」に結合し、樹状突起の伸長を促します。芸術作品の鑑賞者の脳活動をfMRIで計測。そこで蓄積されたデータをAIに学習させていきます。Keyword腸内細菌と免疫

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