DOEFF vol5
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間葉系幹細胞生体組織接着剤①生体組織接着剤②スプレーひと吹きで心機能が回復する心不全患者への冠動脈バイパス手術などの際に、心機能の回復を促す幹細胞を心臓に直接吹きつける「細胞スプレー法」を開発した澤芳樹教授(心臓血管外科学)らの研究グループ。塗布された幹細胞は、タンパク質「サイトカイン」を分泌し、血流の改善や血管の再生を促進するため、手術の効果を高めることが期待されます。施術に使用する幹細胞は製薬会社から提供されるため、細胞培養のための施設を持たない医療機関でも低コストで導入できることも大きな利点です。今後は治験を通じて安全性を実証し、心不全治療の現場への普及を目指します。日本における子宮頸がん患者数は2000年頃から増加し、特に腺がん(分泌腺に発生する悪性腫瘍)が30代以下の若年層で増加していることを明らかにしたのが上田豊講師(産婦人科学)らの研究グループです。このような状況にも関わらず、子宮頸がんを予防するために多くの先進国で導入されているHPVワクチンの接種が日本では推奨されていません。改めてHPVワクチンの重要性を訴えるとともに、より効果の高い「9価ワクチン」の導入や、同年代の男子へのワクチン接種などを提言することが大切になります。HPVワクチンへの正しい理解を202010(年)人口10万人あたり(対数)20052000199519901985198019751015202530年齢調整罹患率Keyword再生医療厚生労働省は2013年に接種勧奨を中止。ワクチンの副反応がメディアで大々的に取り上げられたことが主な原因です。間葉系幹細胞を止血用の生体組織接着剤に混ぜて心臓に噴霧します。Keyword子宮頸がん

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