DOEFF vol7
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12高校生の頃の目標は、勉強して世の中の役に立つ仕事をすることでした。数学や日本史の研究者になるという夢もありましたが、結局は「人の体について知りたい」という思いから医学部の門を叩きます。幼い頃からかかりつけだった、地元のお医者さんに憧れていたことも医師をめざした理由のひとつです。だから、学部時代は研究者ではなく臨床医を希望し「医学に関する知識は全部身につけよう」という意気込みで、基礎医学を幅広く学んでいきました。それ自体は非常に面白かったのですが、知識が増えれば増えるほど「まだ治療方法が確立していない病気が数多く存在する」という事実にはがゆさを感じるようになります。そうした状況を解決するには、既存の知識を学ぶだけではなく、誰かが新しい発見をしなければな生涯のテーマと出会った学生時代。100年後の医学のために。長澤 丘司NAGASAWA TAKASHI大阪大学大学院医学系研究科幹細胞生物学 教授

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