DOEFF vol7
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1616朝野 和典大阪大学 大学院医学系研究科感染制御学 教授しばらくは感染が続くでしょう。インフルエンザ同様に、寒くて乾燥し、換気が悪い冬場は特に流行る。波は上がったり下がったりするはず。コロナは風邪のウイルスの一種ですから、将来は風邪のひとつとして付き合っていくことになるでしょう。▶A1.よく言われているように三密を避ける。食事のときの会話に注意。あと換気、手洗い、マスク。裏技はありません。特に重要なのは換気ですね。密になる学校の部室や更衣室などでは気を付けましょう。カラオケボックスでもクラスターが出ています。▶A2.新型コロナの収束時期はいつ頃だと予想しますか。第何波まであるでしょうか?Q1.コロナ禍の日常をどのように過ごしたらいいでしょうか。普段の生活で気を付けることは?Q2.ワクチンはいつ頃、日本全体に行きわたると予想しますか。懸念点はありますか?Q3.新型コロナに関する研究が進んでいます。注目しているものはありますか?Q4.他の地域よりアジアで感染が少ない要因について、どのように考えますか?Q5.新型コロナ後もまたパンデミックは起きるでしょうか。そのための備えは?Q6.PCR検査や抗原検査によらない簡便な診断法を、産業科学研究所と共同で開発中です。スティックをなめるだけで、ウイルスに関わる電気の流れをAIで解析し、診断できるというものです。それを安価に、数100円程度で提供できればいいですね。▶A4.イギリスとオーストラリアを比べると、圧倒的に後者の感染率が低い。この2国はともに英連邦で、国民の遺伝的背景はそれほど違わない。つまりアジア、オセアニアの環境的な要因だと思います。温暖、かつ換気がいいという要因もあるのでは?▶A5.SARS、MARS、新型コロナの流行は8年おき。だから2028年に新しいのが来るかもしれません。人獣共通感染症という問題があり、森を切り開いて、人が動物と接触して感染する。ただ開発は止められない。社会が対応力を付ける必要があります。▶A6.欧米ではワクチン接種が始まっていますが、アナフィラキシーショックが少し起こっているので注視しています。日本でも医療職は前倒しで進めるとしても、全国民となると来年になるでしょう。住民接種の仕組みや費用負担の問題も残されています。▶A3.小さな波も含めて次々にやってくると思います。今年の冬を越えて、夏に向かえばまた少し収束してくる。ワクチン接種などの要因も加わります。ただ、完全な収束はないでしょう。望ましいのはインフルエンザ並みになってくれることです。▶A1.マスク、手洗いに尽きます。これまでの日常生活は飛沫が多かった。エアロゾルという、もっと小さな飛沫はカラオケなどで発生しやすい。複数人が同じ閉鎖空間にいる場合は、換気が大切です。だから自動車内もリスクが高い。食器類にも留意を。▶A2.新型コロナウイルスが、社会の在り方を根底から揺さぶっています。私たちの生活はどうなるのか。人類はこのウイルスとどのように向き合っていけばいいのか。医学研究の最前線に立つ先生方に「ウィズ・コロナの世界」を伺いました。“”コロナの次は、 2028年にやってくる(かも)。

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